抄録
日本の自動車産業では、ダイハツ自動車の「コペン」にみられるように、従来のグリルやスカート、スポイラーなど、後付けの外装部品は同じ形状のものであったが、3Dプリンタで形状をカスタマイズできるようになっている。ここにはマス・プロダクションからマス・カスタマイゼーションへの移行の一端を見ることができる。またある鋳造品のサプライヤは、車両用過給器、シリンダーブロック、などの金型を10年前から3Dプリンタで製造している。しかし、多くの自動車メーカーやサプライヤでは、3Dプリンタでの部品製造は従来工法に代替するまでには至っていない。3Dプリンタの日本の自動車産業における活用状況から、その普及に向けての課題とその解決策を考察する。